埼玉県議会「再稼働を求める意見書」問題

2017年12月22日、埼玉県議会は12月定例会最終日において、「世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書」を国に提出することを、自由民主党(議長を除く51名)、無所属県民会議(8名)、無所属(1名)の賛成多数により採択しました。

県民のほとんどはこのこのような意見書が議題としてあがっていたことを全く知らず、翌12月23日の「東京新聞」埼玉版の記事によって初めて知ることとなりました。

市民有志は、この意見書に抗議し、県庁前抗議を行いました。また、抗議文を提出することを決め、賛同者・賛同団体を募りました。

抗議文はSNSやメーリングリストなどにより拡散し、短期間で個人3130人、団体141の賛同を得ることができました。

1月10日、平日にもかかわらず呼びかけに応えてくれた市民150名で、県庁へデモ行進で向かい、議長あてに抗議文を提出しました。

しかし、これで終わったわけでは全くありません。私たちが「選んだ」県議会が犯した許しがたい意見書問題を継続して糾弾していきます。

 

 

世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を求める意見書

エネルギー政策の基本は、安全性を前提とした上で、安定供給を第一とし、次いで経済効率性の向上と環境への適合である。

そのためには、優れた安定供給性と効率性を有し、運転時に温室効果ガスの排出を伴わない原子力発電所の稼働が欠かせない。

よって、国においては、立地自治体等関係者はもとより国民の理解と協力を得られるよう前面に立ち、下記の措置を講じつつ、原子力規制委員会により世界で最も厳しい水準の規制基準に適合すると認められた原子力発電所の再稼働を進めるよう強く要望する。

 

 

1 将来の世代に負担を先送りしないよう高レベル放射性廃棄物の最終処分に向けた取組を強化すること。

2 立地自治体、防災関係機関等との連携を強化し、避難のための道路、港湾等のインフラの整備や避難行動要支援者等に十分配慮した避難計画の策定などを継続的に支援すること。

3 電源立地地域対策の趣旨に基づき、新たな産業・雇用創出を含む立地自治体の実態に即した地域支援を進めること。

 

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 

平成29年12月22日

 

埼玉県議会議長   小林哲也

 

衆議院議長

参議院議長

内閣総理大臣            様

経済産業大臣

原子力防災担当大臣